平野醤油 4代目 小野正治が送る うどん屋巡礼記 「松江麺通だんだん」
野津団長と愉快な仲間達のうどん屋巡礼記



団長からの出頭命令6…「パチンコ屋にて待つ…再び×3」 2003/12/4・5
ど・どげんこつですか、その400玉分っつーのは?

■“ニギヤカシちゅーか、飾り付け”っちゅーやつ

2003年12月4日 夕方。
うどん屋に到着。
本日はPM7:00より味見会。

私・小野団員「ちゅーーす、団長。
       味見会の準備の方は、どげですかー?」
野津団長「あー? 
       どこの誰にそげなこつ、聞ーちょんかいのー。
       何とかなるっちゅーか、何とかするわいな。
       で、小野団員! 今日の味見会やけど、うどんの“延し”の方、頼むけんな」
私・小野団員「へ? 
       “延し”って何すか、それ。
       今日は団長のうどん屋の味見会でしょーに、
       そげん、僕がうどん延してどーするっちゅーんですか。
       お客さんに叱られますよ」
野津団長「大丈夫、ノープロブレムや。
       最初の方のヤツは、ワシがちゃんと延しちょいたけん。
       でも、味見会の最中、ワシはうどん茹でたり接客したりせんといけんけん、
       そん時は、うどん延しちょる場合やないんじゃ。
       んだもんだけん、ワシの変わりに延しちょいてごしないや。なぁ、小野団員」
私・小野団員「そーゆー問題でもないと思いますけど…」

野津団長「で、それ、何もって来たん?」
私・小野団員「何っ?て、こないだ団長が私に頼みなった、
       お店の中の“ニギヤカシちゅーか、飾り付け”っちゅーヤツですわいね。
       まずは、これが店頭入口に置く立て看板ですがな。
       予算の都合上、ヤメになったっちゅー、電飾付き看板の代わりにどげですか?」




私・小野団員「これ、醤油屋で試食販売のときなんかに使ってるやつなんすけど。
       中の板が付け替え式になってましてねぇ。
       これとは別の板に、
      “松江麺通だんだん・営業中”
       って、さっき書いときましたけん。
       まだ塗料が乾いてなかったもんで、明日持ってきますわ。
       まぁ、よかったら使ってくださいや。
       あっ、でも、勘違いされても困るんすけど、
       この立て看板、差し上げるっちゅー訳じゃーないですよ。
       しばらく貸してあげるだけですけんね。
       大工さんに特注で作ってもらったヤツで、
       それなりにお金掛かってますもんで。
       うどんで儲けて、電飾付きの看板、プロに頼んで作ってごしないませ」
野津団長「うん、だんだん」
私・小野団員「そんだけかいっ(怒)」




私・小野団員「気を取り直して、ハイ、次はコレ。
       例の、麺通団関係のうどん本の件で頼まれてたヤツで、
       その販売コーナー用のPOP。
       こんなんでよろしーでっか?
       それからそれから、
       このうどん本の販売台を用意してもらう様、
       こないだお願いしちょいたはずですけど…
       予想通りまだですわね」
野津団長「ピンポーン」


■味見会 …ん? 何か変

PM7:15
味見会ということでやって来たつもりなのに、
なぜか店内入り口付近に配置された麺台で、
うどんを延し→カットしている私・小野団員。

自動ドアがOPEN。

私・小野団員「いらっしゃいま……。
       あ・あんた、な・なにやっちょたんねー。
       ヒラ団員の僕がこんなことやっちょーっちゅーのに、
       副団長のあんたが今頃登場してどーするんじゃい」
井戸副団長「ガハハハ。まぁまぁ、そーゆわんと、ヒラ団員は、きばって延しに励んでゴシナイや。
       ワシャ、今から仕事やけど、その前に味見しに来ただけやけん。
       ほな、とりあえず、あっちでうどん食ってくるわ」

続いて美声の持ち主、ミュージカルスター兼八百屋のN先輩登場。
野津団長は一昨年、某団体青年部の会長をしていたが、
N先輩は、その数代前の会長。

その数代前の会長
      「あらっ、小野ちゃーん。こんなとこで何やっちょーの?
       醤油屋クビになって、野津君トコで雇ってもらっちょーかね?」
私・小野団員「雇ってもらっちょーってことは、給料がでるっちゅーことですよ。
       期待してもいいんすかね?」

その後も、某団体青年部の会員&OB、
あの人やこの人が次々とご来店。
みんながうどんをズルズルやっちょー間も、汗をダラダラと流しながら、
ひたすらうどんを延し→カットしている私・小野団員なのであった。

井戸副団長が何やら冴えない顔して再び私に接近。

井戸副団長「なー、なー、小野団員。
      こーゆーことゆーのも何やけど、いつもの野津団長のうどんとは、正直、全然違うデー。
      ハッキリ云って、うどんに腰が足りんっつーか、腰が無いで。
      小野団員が延しちょーみたいやけど、お前のやり方、おかしいんやないか?」
私・小野団員「失敬な。井戸副団長たちが食べたうどんは、
      野津団長が自分で延してカットしたヤツですよ。
      んーーん。そんでも、うどんに腰が無いっちゅーのはどーゆーことやろ?
      私もチョット食ってみよ」

厨房の中に入り、ザルにあげたうどんを数本つまんでズルズルッ。

私・小野団員「は?
      うどんが死んどるがな、これ。
      おーーい、だんちょーーー。
      うどんの死亡届け出てますけど、一体全体どーゆーことですかいなー?」

原因究明開始。
30秒後、究明終了。

●原因 其の壱
業務用のコンロは、家庭用コンロより火力が強かった。
●原因 其の弐
業務用の茹で釜は、家庭用の鍋より湯量が多いいため、
うどんを湯に入れても湯の温度が下がりにくかった。
●原因 其の参
家庭用コンロ・鍋を使っているときと同じ時間茹でた。

以上、簡単にゆーと単なる茹で過ぎだったのである。

「そんなん当たり前やないかー。今頃そげなこつゆーなー」

と、PCの前で叫んだ全国4,500万人のうどんキ?ガイの皆様。
そーです、そんなん当たり前のことなんです。
今頃そげなこつゆーなー、っちゅーことなんです。
野津団長になり代わり一言、「すまん」。

原因を究明してホッとしたところに、
井戸副団長が何やら冴えない顔して再び×2、私に接近。

井戸副団長「なー、なー、小野団員。
      あれはこーで、これはこーで、
      カクカクシカジカした方がいーんじゃねーの?
      それにあっちはこーで、こっちはあーで……」
私・小野団員「まー、確かに、そー云われればそーですけど…
      でも、私、単なるお手伝いさんだけん、
      そーゆーことは、ここのオーナー、野津団長本人に直接云ってやっておくんなまし。
      それに、今日は、みなさんの意見を聞くための味見会でもあるわけやろうし、
      折角ですけん、飲食業界の大先輩として、団長に直接アドバイスしてあげますだわね」
井戸副団長「は? ん?
      ま・まぁ、そらそーかもしれんけど…
      あっと、もう仕事に行かんといけん時間だわ。
      じゃ、そーゆーことで、小野団員から野津団長に云っちょいてな。
      ほな、さいなら」

どうも勘違いされている方がたくさんいらっしゃるようで、
その後も次々といろんな人が私のところにやって来ては、
ありがたいアドバイスを次々次として下さる。



続いて久保田団員登場。
この人、見るからに、明らかに、間違いなく、かなり酔っ払っている。
足元は典型的な千鳥足。
接客担当の、熊井の滝・流しそうめんの娘さんに、にやつきながら接近。

久保田団員「なーなー、ねーちゃーん。
      ハンバーグ・カレー食わしてゴシナイや。うひっ」
熊井の滝・流しそうめんの娘さん
      「……………………」
久保田団員「なんや、ハンバーグ・カレー、無いんか?
      じゃー、“あつぶっかけ”一丁や!
      特盛り、ツユダクでな!
      おーっと、麺は微妙にアルデンテやで」
熊井の滝・流しそうめんの娘さん
      「……………………」
久保田団員「な・なんや、その冷たい視線は。
      こちとら酔いが醒めてしまうやないか。
      で、ねーちゃん、いくつ? 彼氏おんの?」
熊井の滝・流しそうめんの娘さん
      「……………………」

なんやかんやで、無事にとはいえない状況でもあったが、めでたく味見会終了。

私・小野団員「団長、お疲れ様でした。
      いろんな方のアドバイスを元に、今から帰って
      お客さんがうどんやトッピングを取り、会計するまでの手順とかを作り直しますんで。
      明日持ってきますわ。
      ほな、お先に失礼!」
野津団長「ちょっ、ちょっと待ってゴシナイや。
      大事なお話があるんじゃ。
      ほら、あそこの壁に張り付けてあるマリリン・モンローのパネル。
      あれ、前にここの場所で喫茶店やってた人の遺産やけど、
      やっぱ、どーも、ロココ調のうどん屋とはイメージが合わんよーだわ」
私・小野団員「団長、今頃何を1t、モトイ、云っとんですか。
      私、そんなの、とーの昔から感じてましたわ。
      でも、そのこと団長にゆーと、なんか作ってって云われるの目に見えてたもんで、
      あえてそのことには触れてなかっただけですわいね」
野津団長「ぞげんこつだったら話が早いがな。
      あのモンローちゃんを覆い隠すような感じで、
      松江麺通だんだんのスローガンを張っ付けてごさん?」



私・小野団員「はーー?
      松江麺通だんだんのスローガンって、これのことっすか?」
野津団長「あげだわな」
私・小野団員「あげだわなって、モンローちゃんのパネル、2m四方くらいありますがな。
      そぎゃんデカイもん、素人の私が作れるわけないでしょーが。
      看板とか作ってもらった篠崎さんに、それも頼んでしまいますだわね」
野津団長「そらそーやけど、また、何万円か出費やないか」
私・小野団員「そりゃ、そげですわね。
      何回か飲みに出るの我慢したら作れますわね。
      ちゅーことで、この辺りでお先に失礼」
野津団長「ちょっ、ちょっと待ってゴシナイや。
      もひとつ大事な話があるんや。
      明後日の6日が店のオープンやけど、
      その仕込みを明日やらんといけんケンな」
私・小野団員「そりゃ、そげですわね。
      頑張ってゴシナイませ」
野津団長「頑張ってゴシナイって、そんな冷たい云い方せんでもエーがな」
私・小野団員「だって、何かヤナ予感がしますもんで…」
野津団長「そげんヤナ予感でもなんでもないけん。
      ただ、明日の夜、オープン日のために、
      うどん、ほんの400玉分くらい仕込まんといけんだけやけん。
      そーゆーことでお手伝いの方、ヨロチク!」
私・小野団員「よ・よんひゃくたまぶんーーー?
      ど・どげんこつですか、その400玉分っつーのは。
      そげな量、手作業で全部やってしまったら死んでしまいますがなー。
      私、一人でやったのは、一昨年の八雲村祭ん時の30玉分っつーのが
      今までの最高っちゅーのに、そげんたくさんできるわけないでしょ」
野津団長「そげんそげん、二人おるんだけん、何とかなーわや」
私・小野団員「こら、ケンビキ間違いなしですわ」


団長からの出頭命令6…「パチンコ屋にて待つ…再び×3」
を報告いたしました。
全くもって大物の野津団長、
果たして、明後日のオープンに、
波乱無く、たどり着くことができるのでしょうか?
「いや、野津団長の性格上、まだまだ二波乱、三波乱あるに違いない」
と強く確信している私・小野団員の今日この頃なのである。

次回も引き続き、野津団長のうどん屋話しをご報告いたします。
ご期待ください。
本HP編集担当、小野団員でした。
以上、ほな さいなら。
全国のうどんキ?ガイのみなさま。。。






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